(記者)
読売新聞と申します。リニアの話に戻って恐縮なんですけれども、昨年10月にも、山梨県の長崎知事からの一言の連絡もなく遺憾以外の何物でもないと苦言を呈されていて、調整不足を指摘されるのは、今回が2回目ではないかと思います。前回10月のときも知事は山梨県に根回しするほどのことではないと開き直っていらっしゃって、今日も、1月31日と同じ内容だから話せばわかるというふうに、開き直りの姿勢を見せていて、反省の姿勢が全く見えないのではないかと思いますが、山梨県に対して礼節を欠いているという自覚はないのでしょうか。
(知事)
もちろん礼節を欠いてるという自覚あります。やはり1月31日にしたのと同じ内容だからということを思ってですね、前日に、こっちが発出した前後に(正しくは、「当日の発出する前に」)御連絡差し上げるというのは不適切だと、礼節を欠くというふうに思っております。
(記者)
山梨県の長崎知事は、山梨県の水は山梨県の水というのが常識的な考え方とおっしゃっているんですけれども、川勝知事は山梨県内で出る水も静岡県の水というお考えでしょうか。
(知事)
いやそれはですね、水の問題、川の問題、地下水の問題というのは、行政区のですね、範囲を超えて、自然現象ですから、それを事業者は、もちろん経済活動をそれぞれのところでなさっておられるんで、あれですけども、水それ自体はですね、県境を越えて動いておりますので、そういう御理解を持っていただけるものだと思っております。
(記者)
すいません、今の回答では理解できなかったんですが、山梨県内で出る水は静岡県の水なんでしょうか。
(知事)
それはわかりませんよ。だから、それを今わかる方法があるというふうに、この間の専門部会で丸先生が言われてますので、これをですね、JR東海の方も、それじゃそれを検証するという方向で回答されたと聞いておりますので、ですから、今私がそれを答えるべき筋のものではないと、きちっと検証していただければと思います。
(記者)
川勝知事は、その静岡県の水が、山梨県側に引っ張られるというふうな主張をされていると思うんですけれども、その根拠がややわかりにくいことが、こういう問題の原因になっているのではないかなというふうに思うんですけれども、その県の情報発信のやり方について、何か見直すお考えはありますか。
(知事)
この話はですね、専門部会で、公開でやってるわけですね。ですから、ぜひ今、大きな関心が持たれているので、有識者会議もまもなく開かれると。専門部会でもですね、どんどんと、この先進ボーリングをやっていくということなので、早急に会議を開きたいと言っておりますから、そこでですね、ぜひ出席していただいて、本当にわかりにくい議論になっているのか、これを確かめていただきたいと。わかりにくければですね、その後、それぞれ担当者が記者会見いたしますので、そこで御質問をいただければと存じますが。
(記者)
わかりました。ありがとうございます。
(記者)
たびたびですいません、中日新聞です。高速長尺先進ボーリングそのものについてちょっとお伺いしたいんですけど、JR東海は、湧水量が10mあたり、毎秒0.05tを超えたら、掘削を中断して、1週間程度の間に湧水量の減少を確認できない場合は中止して湧水を止めるというような対策も示されています。私、あるいは常識的に考えて、これで十分じゃないかなとは思うんですけど、それ以上に県が求めているところに、今回の科学的な議論、科学的な根拠に基づいて話をしてきていただきたいだとか、そういった長崎知事の言葉も出てくるのかなと思うんですが、行政の比例原則というのに、過剰な対策を求めているというふうに考えられるんですけど、知事はそう考えませんか。
(知事)
そうですね、そこに破砕帯があるってことが、もう蓋然性が非常に高いわけですね。したがって、そういうところだからこそ、こういう先進ボーリングをやるわけです。その量もですね、計算によると、膨大な量になるわけですね。これは数字も出されていると思いますが、したがってそうしたものが出てきた場合に、どう対処するのですかということをお聞きするのは、特段この過剰な反応ではないと思っております。すなわち、県境付近はですね、山梨県も含めて、静岡県内1キロぐらいまで、これは静岡県からずっとこう、斜めに掘って行かれてですね、深さが300mぐらいになったところから、もう、どんどんどんどんそのボーリングの先からですね、水がもう、湧き出てくるということで、その県境の静岡県側は、数百mのところまで行って、さらにその水は静岡県を越えて、山梨県まで、そういう破砕帯、つまり水が滞留しているところが続いてる可能性があるということをJR東海の資料が語ってるわけですね。そして、また、破砕帯が両県にまたがっているということでもありますので、ですからこそ、普通の掘削ではなくてですね、高速長尺先進ボーリングというのをやるわけですが、高速長尺先進ボーリングのその目的は、もちろん調査もありますが、調査だけではなくて、水抜き工事であるということも常識であるわけです。したがってこの水が出た場合にどうするんですかということはですね、そこが今のところはまだ出ていないと。出た場合に、どうするんですかということについて、出てから考えるとでは困るということで、確か、毎秒これぐらいで出ると、例えば工事10か月間の間、それを全部出しっぱなしにするってことでしたけど、その量がですね、巨大なものになるという数字を、これは計算上の問題ですし、見せてもらったことあります。したがって、こういうその数字に目にしますと、そうしたときどうするんですか、ってことを聞くのはですね、これ決して過剰な反応ではないと思っております。
(記者)
しつこくて申し訳ないんですけど、水が出たときは、止めると言ってるんですけど、止めて中断するとJRは言ってるんですけど、水が出たらどうするんですかという対策は既に示されているんではないですか。
(知事)
止められるかどうかですね、突発湧水を。
(記者)
突発湧水が止められるかどうかの議論には、今、なってない。
(知事)
そうです。まだそこに行ってどうしてどういうふうにする予定ですかということを聞いているわけですね。出たら止めるって言ってるだけですから。
その量についてですね、これはそれとの関わりでしょう。ですから数字を挙げてですね、本当にわずかに今のような状況であればですね、十分に対処できますけども、破砕帯に、もうすぐそばに、あるわけですから、この件については慎重であってもいいと思いますが。
(記者)
これ価値観の違いかもしれないですけど、高速長尺先進ポーリング確か12センチの径だったと思うんですけど、12センチ破砕帯に当たったことで、大量の水が出てくるとはなかなか考えにくいかなと。
(知事)
これはですね、どなたか、渡邉くん、どうぞ。
(くらし・環境部南アルプス担当参事)
くらし・環境部参事の渡邉です。今のご質問に対してお答えしたいと思います。まず最初にJR東海さんが水が管理値を超えたら止めると。止めると言ったの削孔を止めるということであって水を止めるとは言ってないと理解します。あくまでも、静岡県に県内に入った場合のボーリングについては、水を止めることを考えますと、ところが山梨県内については、後から続く先進坑の安全上、水は流しっぱなしにするという説明であると理解してます(※訂正)。
<※発言の訂正>
まず、JR東海は、管理値を超える場合の対応について、削孔を中断するとともに、1週間程度の間に、孔口湧水量の減少傾向を確認した場合は削孔を再開するとしており、直ちに水を止めるとは説明していないと理解しています。また、減少傾向が確認されない場合は、今回のボーリングを終了し、湧水についてはバルブを閉めて止水する。そして、管理値を超えた地点より先の区間で新たに高速長尺先進ボーリングによる調査を行うと説明していると理解している。
それから、あともう一つ12センチのものが出る量ですけども、これ前々回の専門部会で議論があったかと思うんですが、計算上初期に発生する湧水量としては、先進坑の約0.6倍が出るということで、私共の方でその説明をしたところJR東海さんは、それは初期湧水の問題だということで説明されたんですけども、初期湧水として先進坑の約0.6倍の水が出るということについては否定はされてないと。私はそのように御説明を受けた記憶があります。それから、当時の質問においてもですね、確かJR東海の方の説明だったと思うんですけども、例えば、断層帯が凹凸なっている場合で水が供給されてる場合には、継続して水が出るという御説明があったと理解しております。以上でございます。
(記者)
わかりました。
(知事)
先進坑ってのは、御案内の通りですね、車が両方で交差できるぐらいの大きなもので、幅が9m、高さもその前後ありますから、それの0.6倍というのでですね、ぜひそういうスケールをですね、やっぱり想定した方がいいと言っておられるわけですから、そういうふうに。これは懸念を抱くのは当然だと思います。
(記者)
NHKです。よろしくお願いします。すいません、何度も出てる質問なんですけど、ちょっと理解ができないので、再度お尋ねしたいんですが、今後のその文書の出し方ですとか、県としてのその意見の表明の仕方に、県外の話が入ってくるものについて、特にその高速長尺先進ボーリングの協議というのは、今後も専門部会で進んでいくと思うんですけれども、例えば、その山梨県を、その専門部会で呼ぶですとか、協議自体を一緒にやっていった方が、今後、こういうトラブルも起きないのかなと思うんですが、その専門部会に限らず、検証や協議の段階で、山梨県と一緒に進めていくってお考えはないんでしょうか。
(知事)
素晴らしい考えですね。ぜひ、オブザーバーとしてもですね、もう専門部会でやってる中身を担当の方がいらっしゃるかどうか知りませんけども、来てくださればですね、大変ありがたく存じます。
(記者)
呼びたいってお考えは、知事としてあるということで。
(知事)
今までそれ考えていませんでしたが、確かに、それ一番、直接話法で伝えられますからね。こちらがまとめて、そしていろいろと文案を練って、それをまた山梨県と相談をするということよりも、その文章の中身は、専門部会者会議で議論をしていることを踏まえて言ってますので、もし山梨県なり、あるいはですね、期成同盟会の方々で、あるいは南アルプスを愛する方がリニア絡みの方でいらっしゃるなら、これは国交省、環境省の方針であり、内閣の閣議決定でもあり、政権与党のですね、公約でもあり、期成同盟会の決議事項の第1項でもありますので、全くこれはオープンにするべきだと思います。特に、先進高速長尺ボーリング(正しくは、「高速長尺先進ボーリング」)は山梨県下で行われているので、山梨県の方がですね、お越しいただくのはもう大歓迎ですね。その件について議論するときに同席していただくというのは大歓迎です。
(記者)
わかりました。あと文書の今後の出し方についてなんですけれども、山梨県側が専門部会に出るかどうかはまた別の議論としまして、今後、その静岡県が文書を出すにあたって、知事が去年の秋の関東知事会だったかと思いますが、その後にその事務レベルで情報を共有するっていうとこで合意したという話もあったと思うんですけれども、今後も文書を出すときに、その山梨県側に相談する際に、あくまでその静岡県側が文書を作って相談するっていう流れを、今後もやられる考えは変わらないんでしょうか。
(知事)
それはもう最新の情報を、専門部会は、JR東海と静岡県が委嘱した専門家の方たちにやっていただいておりますので、その情報に基づいて、抗議文なり、あるいは要請文なりを作っておりますので、それを部外者が書くのはなかなか難しいと思います。しかしながら、なぜそういう文章を書いてるかってことは、会議に同席していただければ理解が進むというふうに思いますので、今、全ての関係者と言いましたけれども、なにしろ山梨県で工事をしていることについて、山は行政を超えて存在しておりますものですから、水も同じです。ですから、御関心を持っていただいてですね、長崎知事さんに、正確な情報が、科学的な情報がですね、伝わるように働きかけをしてみましょう。
(記者)
ありがとうございました。
(知事)
はい、ありがとうございました。
(幹事社)
他にないようですので、そしたら終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。 |